展示会出展:Tsukuba Lab. Meetup in AIST Vol.10

「Tsukuba Lab. Meetup in AIST vol.10」に出展いたしました。

当日は、FA設計・診断事業を中心に、PLCトラブル診断や設備保全に関する取り組みをご紹介し、多くの方々と情報交換を行うことができました。ご来場いただいた皆様、誠にありがとうございました。

また、次回は2026年6月18日に開催される
「物質・材料研究機構 並木地区 展示会」へ出展予定です。

今後も、設備を止めないための技術と、現場課題に向き合うエンジニアリングサービスを通じて、製造・研究現場に貢献してまいります。

Raspberry Pi × EPICS で社内環境モニタリングを作ってみた

はじめに

「加速器の制御で使っている技術を、身近なところにも活かせないか?」

そんな発想から、手のひらサイズのコンピュータ Raspberry Pi Zero W と、加速器施設で標準的に使われている制御フレームワーク EPICS を組み合わせて、オフィスの環境モニタリングシステムを構築しました。

使ったもの

項目内容
コンピュータRaspberry Pi Zero W
センサーOMRON 2JCIE-EV01-RP1 環境センシングHAT
制御フレームワークEPICS(Experimental Physics and Industrial Control System)
モニタリングPCMac(社内ネットワーク経由)

OMRON製のセンシングHATには、温度・湿度・気圧・照度の4種類のセンサーが搭載されています。Raspberry Pi の上にぴったり載るボード型なので、配線不要でコンパクトに収まります。

EPICSとは?

EPICS は、世界中の加速器施設や大型実験施設で使われているオープンソースの制御システムフレームワークです。KEK(高エネルギー加速器研究機構)やCERN、Spring-8 など、大規模施設での採用実績があります。

当社はこの EPICS を用いた制御系の設計・構築を手がけており、そのノウハウを活かして今回のシステムを組みました。

システム構成

構成はシンプルです。

  1. Raspberry Pi がセンサーから2秒ごとにデータを取得
  2. EPICS IOC(Input/Output Controller)がデータをネットワーク上に配信
  3. モニタリングアプリ(Python製)がリアルタイムでグラフ表示

Raspberry Pi 上では EPICS の softIOC が常時稼働しており、温度(TEMP)・湿度(HUMID)・気圧(PRESS)・照度(LUX)の4つのプロセス変数(PV)をネットワークに公開しています。

モニタリング画面

Mac側で動かしている監視アプリでは、リアルタイムのグラフ表示に加えて以下の機能を実装しています。

  • スクロールグラフ: 約100分間のデータを連続表示(上段:温度・湿度、下段:気圧・照度)

やってみて

小さなRaspberry Piでもきちんとしたデータが取れること、そしてEPICSが大規模施設だけでなく手軽な用途にも適用できることを実感しました。

将来的には、工場内の温湿度管理やクリーンルームの環境監視など、産業用途への展開も視野に入れています。「大げさな設備を入れるほどではないけれど、データはきちんと取りたい」——そんなニーズに応えられるソリューションです。


BLUE KEY では、加速器・研究施設向けの制御設計から、産業機械のFA設計・診断まで幅広く対応しています。お気軽にご相談ください。

分散制御案件に着手 Yokogawa PLC × EPICS

横河電機製PLC「F3RP71」と、オープンソース制御基盤「EPICS」を組み合わせた分散制御システムの開発に取り組んでいます。

本システムでは、Linux上で動作するIOC(Input/Output Controller)を用い、各装置・制御ノードをネットワーク経由で連携させる構成を採用しています。

従来の中央集約型制御では、

  • 一箇所の障害による全体停止
  • 制御ロジック集中による保守負荷増大
  • システム拡張時の影響範囲拡大

といった課題がありました。

分散制御構成では、

  • 機能単位での独立制御
  • 障害影響範囲の局所化
  • 段階的な機能追加・改修
  • ログ収集性および可観測性向上

などのメリットが期待できます。

特に研究設備や大型製造設備では、複数装置・複数建屋にまたがるシステム構成が求められるケースも多く、今後の設備運用・DX推進において重要な技術要素になると考えています。

BLUE KEYでは、PLC・Linux・ネットワーク・制御ソフトウェアを横断して扱える強みを活かし、既存設備を活用しながら現実的な分散制御システムの構築を進めています。

三菱PLC の更新が完了 FXシリーズFX3U→FX5U

金属加工機に搭載されていた三菱電機製FX3シリーズCPUを、現行ラインナップであるFX5Uへ更新する案件を手掛けました。

既設FX3内のプログラムを正常に読み出すことができれば、FX5Uへの変換自体は比較的スムーズに進めることができます。

ただし、注意すべき点がいくつかあります。

まず重要なのが、入出力仕様を適切に合わせて機種選定を行うことです。
既設設備との整合を正しく取ることが、更新作業の最初の関門になります。

もう一つは、現場で想定外のエラーが発生する可能性を前提にしておくことです。
これは実際に切り替えてみないと見えてこない部分も多く、その場での切り分けや対応力が求められます。

今回も、実際に問題が発生しました。

新旧CPU間で仕様変更された命令が使用されており、それに起因するエラーが発生していました。
三菱電機が公開しているマニュアルを確認しながら原因を切り分け、ラダー修正による対策を実施しています。

現場でしか分からない問題は確かに存在します。
一方で、事前にマニュアルを読み込み、構成や仕様を整理しておくことで、原因特定や復旧までの速度は大きく変わります。

今回も、そうした事前準備がトラブルシュートに大きく役立ち、トラブルがありつつも半日ほどで動作確認まで進めることができました。