加速器って?

「電子」や「陽子」という目に見えない細かい粒子を、超高速に加速する装置のことです!
高速になった粒子は、「〇〇ビーム」とか「〇〇線」と呼ばれることが多いです。ここではビームと呼ぶことにしますね。
ビームと言ってもアニメで出てくるように直接見ることはできませんが、当たったものは簡単に壊すことができます。
その強さは、金属でもものの数秒で溶けてしまうほど強いエネルギーを持っています。
また、ほとんどの場合発生したビームは放射線に分類されます。

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何ができる?

  • 医療利用
    病院でよく使われるレントゲンは一番身近にあるものです。
    レントゲン装置の中には、X線を作り出すためにX線管というとても小さくて簡単な加速器が入っています。
    これを大きくして立体的な写真を撮れるようにしたのがCTスキャンです。
    他にはガンなどの腫瘍を治療したり腫瘍の箇所を正確に把握したりするため、陽子や重粒子のビームや中性子ビームが使われています。
    いずれも放射線に分類されますので、取り扱いは専門の資格を持った技師が行います。
    健康に影響を与えない範囲の被曝をしますが、得られる効果がとても良いものなので利用されているんです。
  • 産業利用:滅菌
    電子ビームを使ってモノに付着している菌を死滅させることができます。
    医療器具や研究用の器材、薬局で使われているボトルをきれいにするために使われます。
    滅菌が完了しているモノには、「電子線滅菌」とか「EB滅菌」といった表記がされています。
    皆さんの身の回りにもたくさん使われていますので、探してみてください。
  • 産業利用:改質
    電子ビームや陽子ビームをモノに当てると、そのモノの分子構造を変えることができます。
    ゴムを硬くしたり電子部品の性能をよくしたりするのに使われます。
    はじめに説明したようにモノを壊すこともできますので、十分なテストを重ねてメリットとデメリットを把握した上で利用されます。
  • 研究利用
    ビッグバンが宇宙の始まりだったと聞いたことがあるのではないでしょうか?
    そのビッグバンは超高速の微粒子のぶつかり合いだったと言われています。
    この微粒子のぶつかり合いを再現するために加速器が使われています。
    この分野の加速器は装置というには巨大で、日本にある施設でも東京ドームの数十倍の広さの敷地を使っています。
    ヨーロッパにあるセルン(CERN)の施設はさらに大きくて、東京ドーム100個でも足りない広さの敷地に建てられています。

これから期待されている分野は?

医療の分野は今でも開拓が進んでいて、たとえばガン治療はいろんな部位に対応するために研究開発が行われてます。
そして、最近ホットな話題は「核融合」でしょう。
次世代の発電技術として長年研究されてきましたが、発電して得られる電力が発電所を動かす電力よりも大きくなるという成果が報告され始めてるんです。
実用化に向けて日本政府も本格的に支援し始めましたので、これから大注目の分野であること間違いなしです。