Industrial First Aid — PLC Trouble Analysis Report
PLCトラブル
解析レポート
対象設備
部品搬送装置 Aライン
PLC機種
三菱電機 FX5U
開発環境
GX Works3
作成日
2026-03-08
案件番号
IFA-REP-001
02
事象概要
Incident Summary
発生症状
自動運転開始後、数サイクル以内に搬送停止
発生条件
ワーク連続投入時に高頻度で再現
エラーコード
E1100
影響範囲
Aライン停止、後段設備待機
03
原因解析
Root Cause Analysis
解析対象
データ
データ
調査対象信号
搬送開始要求(M100)、ワーク検知(X010)、完了確認(X011)、異常保持(M200)
状態遷移の整理
開始要求成立後、完了確認未成立のまま異常保持ビットが先行してセット
ロジックフロー — 問題発生時の信号遷移(連続投入時)
搬送開始要求
M100 ON
→
ワーク検知
X010 /遅延あり
→
完了確認タイマ
T10(監視中)
→
異常判定タイマ
T20 先行満了⚡
→
停止条件成立
M200 SET
ワーク連続投入時、ワーク検知信号(X010)の入力遅延により、完了確認タイマ(T10)が成立する前に異常判定タイマ(T20)が満了し、停止条件が先行して成立する。
ラダー上の問題箇所
完了確認タイマ(T10)と異常判定条件(T20)の競合
原因の論理説明
完了確認の成立前に異常判定タイマが満了し停止条件が成立。連続投入時は検知信号の遅延が累積するため、タイマ設定値との差が縮まり競合が発生しやすい。
04
特定原因
Identified Cause
!DIRECT CAUSE — 直接原因
タイマ条件競合による誤停止
完了確認タイマ(T10)と異常判定タイマ(T20)のタイムウィンドウが重複しており、ワーク検知の遅延が生じた場合に異常判定が完了確認より先に成立する設計上の欠陥。
ワーク投入
→
検知遅延発生
→
T20 満了
→
異常判定先行成立
→
M200 SET
→
ライン停止
停止に至るロジック
ワーク検知遅延時に異常判定が優先成立し、完了確認の成立を待たずに停止条件がセットされる
再現条件との整合
連続投入時のみ検知遅延が増加する特性と現象の発生パターンが一致。単発投入では非再現。
05
修正ロジック
Fix Logic
✕ 修正前
完了確認前でも異常判定が独立して進行
搬送開始後、T10とT20が独立して同時起動するため、検知遅延時にT20が先行満了してしまう。インターロックなし。
✓ 修正後
完了確認猶予時間内は異常判定を抑制
T10の監視中はT20の起動をインターロック。T10タイムアウト確定後のみT20を起動させ、正常な遅延を誤検知しない。
✓PROPOSED FIX — 修正案
異常判定条件に完了確認待機インターロックを追加
完了確認監視中フラグ(T10監視中)が ON の間は、異常判定タイマ(T20)の起動コイルをインターロックにより無効化する。T10タイムアウト後のみT20を起動させる条件に変更することで、正常な完了確認遅延が異常判定トリガーになることを防止する。
06
実装時の留意事項
Implementation Notes
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▶
実機反映前の確認点:上位装置との信号タイミング、および非常停止条件との干渉を確認すること。修正後のT10タイムアウト値が上位システムのウォッチドッグ周期と整合するかを確認する。
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▶
周辺信号への影響:完了確認遅延時の再試行処理ロジックに影響する可能性がある。再試行条件の起動タイミングを合わせて見直すこと。
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!
安全上の注意:実機反映前に必ず単独運転モードで動作確認を実施すること。ライン連結状態での初回確認は行わないこと。
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備考:本レポートは論理解析結果に基づくものであり、実機動作の保証を行うものではありません。修正の実施および動作確認は、現場担当者の責任のもとで行ってください。
本レポートは Industrial First Aid(BLUE KEY Co., Ltd.)が提供するPLC論理解析サービスの成果物サンプルです。記載内容は架空の案件をもとに構成したデモンストレーション資料であり、実在する設備・案件とは一切関係ありません。